インプレッション2

2005/10/3

インプレッション2

昨日は朝から出かけました。こんなコースでおよそ450キロでした。
尻切れトンボになっているのは会社に立ち寄ったためです。そこでGPSの電源を切った後、入れ忘れてしまいました。

気疲れするが疲れない

シートはそれなりに高いし車重もそれなりにあるので停車時はすごく気を遣う。高速の出入り口もそう。
旋回半径が大きいので交差点や九十九折ではすごく気を遣う。車幅もあるので山道で対向車とすれ違うときはかなり真剣。
ブレーキの効きは甘いしフレームもヨレるので高速走行には特に気を遣う。横風吹いたらもう冷や冷やモノ。

それなのに、いざ休憩してみると「疲れてない」ことに気が付きます。ヘルメットの重さで首・肩が少々凝っている程度です。
気を遣う箇所は確かに多いですが、それが全行程に占める割合というのは微々たるものです。むしろそれ以外で全く気を遣う必要のない安楽さがコイツの真価なのでしょう。

遅いけど速い

巨大なカウルが仇となって、高速巡航速度はごく平均的なものです。でも追い越しは躊躇なくできます。100km/hから130km/h程度までの加速は実用上何の問題もないレベルです。
一般道でも、市街地の普通の流れ(40〜60km/h)に乗ってイライラすることはありませんし、バイパスの早い流れ(70km/h以上)もリードできます。
特筆すべきは、速い遅いで乗り味が全然変わらないことです。速くても遅くても柔らかいサスペンションで車体は大きく揺れます。巨大なスクリーンに遮られて走行風はほとんど当たらないので速度感がありません。
車体剛性がブレーキに大きく負けているので、スピードの出しすぎには注意が必要です。

急は苦手

急発進、急加速、急旋回、急回避、急制動。およそ「急」のつく動作はすべて苦手です。
何かしているとき、途中での修正はできません。コーナーでラインを間違えたらそのままアウトにはらむしかありません。ブレーキのタイミングが遅れたらそのまま衝突するか転倒して回避するしかできません。
何をするにも先を読んで、途中で決して破綻することがないように慎重な運転が求められます。

総評

何と言っていいのか、正直わかりません。パワーは1000ccとは思えない非力さ。特筆に値するメカニズムもなし。飛びぬけた個性もなし。
「疲れにくさ」「飽きさせにくさ」の性能が飛びぬけているとでも言えばいいのでしょうか。
30年前にBMWが考えていたであろう「旅道具としてのオートバイ」の一つの完成形が、このR100RTなのでしょう。できれば同じ車体を持つRS、そしてエンジン出力が10PS上乗せされていた旧型RS/RTも、機会があれば乗り比べてみたいものです。

それにしても、昔の人は偉大です。こんなフワフワのバイクでアウトバーンを160km/h以上で巡航していたというのですから...


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