インプレッション4

2006/4/22

インプレッション4

おそらく日本で唯一の、R100RTの現在進行形インプレッションをお届けします。(^_^;)

本日、オイル交換してきました。現在の走行距離はメーター読みで6,800キロあまり。約57,000キロでメーター交換しているので、実質63,800キロ程度になります。
事故で手放したR1100RSもそうでしたが、これくらいの走行距離でようやく本当に当たりが出るという感があります。キャブレター同調、バルブクリアランスなど定期的な調整は必要ですし、オイル交換も3,000〜4,000キロ毎と若干短めにしていますが、それさえきちんとこなしていれば何の問題もありません。

OHVの味

かつてのバイク雑誌でよく目にした「OHVの味」という言葉。自分にも何となくわかってきたような気がします。
以前どこかで書きましたが、街乗りではだいたい2,000〜2,500rpmの範囲を多用します。このあたりの回転数で一般道を延々と流す時の、なんとも形容しがたいエンジンの回転フィールに取りつかれそうになっています。
ドコドコでもドロドロでもない。決してスムーズではないがギクシャクはしない。CDウォークマンの音量を最大にしなくても十分に音楽を楽しめるほど静かなのに、決して電動モーターのような無機質さは感じられません。足元で何か重いものがグルグル回っている感覚が常にあります。自己主張が強いエンジンではありませんが、自己主張をしないエンジンでもないようです。
本当に説明しにくい性格のエンジンですが、どこかで見かけた誰かの言葉、「肌にやさしいエンジン」という表現がぴったり当てはまっていると思います。
性能的には基本設計30年前のエンジンですから、加速が遅い、最高速が出ない、燃費が良くない...などなど不満は山のようにあります。それでも「まぁいいか」と言って、毎日の通勤に駆り出せるのはなぜでしょうか。

意外な運動性

このバイクにスポーツ性を求めてはいけない。ずっとそう思っていましたが、いざタイヤ交換してみると、前タイヤは端から端まできちんと接地させていました。現在は後タイヤも左旋回時にはほぼ端まで接地させています。比べて右はまだまだ甘いですが、これは単に足、主に股関節の不自由さのせいだと思います。
なにしろ絶対的なトルクも馬力もありませんから、路面状況さえ許せば、アクセルを開けるべきところでは遠慮なく開けられることに、頭よりも先に体が気付いてしまったようです。
R1100RSはそのバイク離れした驚異の車体・ブレーキ性能を背景に、見知らぬ道を遠慮会釈なくガンガン分け入っていく楽しみが主体だったように思います。それに比べると、R100RTには決まった場所で決まったことをいかに正確に再現するか、という楽しみ方があるのではないかと最近思うようになりました。

根底にある快適性

スポーツするには少々難があるライディングポジションですが、通勤に使うにはこれ以上ない快適さを提供してくれます。R100RTは巨大なスクリーンと相まって、スーツ姿での高速通勤が可能です。さらに高速道路上のにわか雨なら、その恰好でも急いで路肩停車して雨具を引っ張り出す必要がありません。
先日の九州旅行からタンクバッグにCDウォークマンを入れるようになりましたが、これが深夜の帰路を「癒しの時間」に変えてくれます。
名古屋高速から東名阪自動車道で四日市方面へ。四日市から伊勢湾岸道路経由でトヨタ国へ。伊勢湾岸道、弥富付近。左端車線に張り付いて大型車をやりすごしながら、ゴダイゴの「銀河鉄道999」を聴き、星空に儚い思いを馳せる。なんという贅沢だろう。これこそが、忙しさの中にあって真の贅沢ではないでしょうか。
そんな楽しみ方が出来るのも、ベースとなるバイクが高い快適性を有していればこそです。体を前屈させ、いるかどうかもわからない取締り車両や速度計の針と無意味な格闘を続けることに比較して、なんと文化的ではありませんか。
「俺はR1だけど毎日往復100キロを難なくこなしていますが何か?」という方にはR1100RTをお勧めします。きっと往復100キロでは物足りなくなること請け合いです。


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