インプレッション6

2006/9/25

インプレッション6

おそらく日本で唯一の、R100RTの現在進行形インプレッションをお届けします。(^_^;)
早いものでもう一年が過ぎようとしています。気が付けば2万8千キロ近い距離を走破していました。

サスペンションの話

6月にフロント廻りの大修理を行って以来、走り方がかなりおとなしくなりました。それはタイヤライフ延長という形で如実に現れています。
過去2回の交換では7,500キロ程度で寿命を迎えていたフロントタイヤが、9,000キロを迎えようとする今頃になってようやくセンターのスリップサインが気になり始めるようになりました。サイドは接地跡はあるものの、ほとんど減っていません。リアタイヤはまだ5分山です。
リアサスペンションの劣化(ヘタリ)もタイヤライフ向上に大きく貢献しています。当初から感じていたフワフワ感は近頃ますます強くなり、高速道路では95〜105km/h以上のハイペースで流すことがほとんどなくなりました。フロントサスペンションはフォークオイル交換である程度回復しますが、リアはユニット交換しか出来ません。ただ、それほど高価なものではないという話をディーラーで聞いているので、近々交換するつもりです。
その昔の純正オプションにニボマットというショックユニットがありました。2001年版のカタログにも記載が残っていて、それによると、
乗り心地やグランドクリアランスを変えることなく、リヤホイールの負荷に合わせて自動的にクリアランスを調整します。
だそうで、いわゆる自動車高調整機能付きサスペンションのようです。興味はありますが、数十年前に登場したオプションパーツが自分の求める性能を満たしているとは到底思えません。ノーマルパーツと大して変わらない価格でもない限りは手を出さないと思います。

ブレーキの話

最近の大物修理としてはブレーキディスクの交換がありました。夏前からフロントブレーキに微妙な違和感があったのですが、8月になってパッドの減り具合を点検した際、乗り始めからあまり減っていないことに気が付きました。自分の乗り方で2万キロもパッドを交換しなかったことはあまり記憶にありません。いくら軽量で遅いバイクとはいえ、これはおかしい。
そう思ってディーラーで点検してもらったところ、やはり磨耗限界直前でした。このディスクが意外と高価で、1枚32,200もします。工賃合わせて7万5千円の見積もりに頭を抱えた結果、とりあえずパッドだけ交換してしばらく様子を見ることにしました。しかし鳴きが出てフィーリングも悪化したため、結局、パッドの磨耗が進まないうちにとディスクも交換してしまいました。
オプションでフローティングディスクの設定があったので調べてもらったのですが、国内正規ルートでは入手できないとのことでした。おそらく騒音の関係だろうとのことです。同年代のR100RやR100GSにはフローティングディスクが装着されていて、流用できそうな気がするのですが、品番が違うそうです。高価な部品で冒険するつもりもないので、少し残念でしたが諦めました。
ディスク交換後はすこぶる順調に走っています。タッチも利きも「さすがはブレンボ」と思わせるものになりました。OHV乗りでブレーキに不満を持っておられる方、ぜひディスクの磨耗をチェックしてみてください。そしてディスク交換時はパッドも同時交換することをお奨めします。

燃費の話

ガソリン代の高騰がなかなか収まりません。そんな中、R100RTは「あの年式のバイクにしては」という但し書きが付きますが、まずまずの燃費を保ちつづけています。通勤ではだいたい16km/l、ツーリングでは18〜20km/lまで伸びます。
高速・一般道の差よりもむしろ、スロットル操作頻度と運転時間が影響しているように思います。具体的な統計資料がなく自分の主観でしかありませんが、スロットル開閉回数と角度が少ないほど、連続運転時間が長いほど燃費が向上するようです。
このエンジンに付いているビング製負圧キャブレターは、980ccの排気量を持つエンジンに驚くほど従順な性格を与えています。アクセル急開閉に対してエンジンの挙動を一歩遅らせることで、疲れにくい乗り味を実現しています。
この「挙動が一歩遅れる」のがポイントで、スロットルを急に閉じてもエンジンにはしばらくガソリンが供給され続けます。つまり回転が落ちにくいのです。ストップ&ゴーの繰り返しになる街中ではガソリンを無駄に消費しているのがよくわかります。
その一方、ツーリングで周囲の車に合わせて制限速度付近で流していると、信号待ちで止まる際にスロットルが既に閉じられたままだったことに気が付くことが多々あります。スロットルの開け閉めは変化のきっかけと燃料供給量の目安でしかなく、意図した回転数の維持に必要な燃料供給量はキャブレター内部のバルブが自動調整するのが負圧キャブレターの特徴ですが、このキャブレターの自動調整振りは少々行き過ぎているようにも感じることがあります。これもスロットル操作回数を減らすことにより徹底的な疲労低減を追求した結果なのでしょう。道理で1,000キロ走った翌日早朝に東京行きの新幹線に平気で乗り込めるわけです。
いずれにせよ、このキャブレターの性格を理解することが燃費向上策の第一歩だったと、最近になって気が付いた三中里予なのでした。


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