最終回

2022/9/5
R1200RT ヘッドライト
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最終回

乗り換えの理由

何事にも始まりがあれば終わりがあります。R1200RTにも終わりがやってきました。というより終わりにしました。


これまでの主なトラブル(予定外交換部品)を挙げてみます。11年26万キロを走り続けてたったこれだけか、という気もしなくはありません。


納品書日付 交換部品 価格(\・税別)
2014/03/18 ヘッドライトユニット 110,187
2017/03/15 リアサスペンション 393,540
2020/03/15 ABSユニット 248,000
2022/05/20 燃料レベルメーター 23,000

3月が多いですが、理由はよくわかりません。車検と重なっているのはリアサス交換だけです。


部品代の割に精神的ダメージが大きかったのは最後の燃料レベルメーターでした。実は昨年、ガス欠で2度もJAFのお世話になっています。

燃料計の動きが怪しいことは薄々ながら認識していたので「まったく予兆なく故障」ではありませんでした。チョンボと言われればその通りです。しかしこれが燃料ポンプだったら、エンジンコントロールユニットだったら…


追い打ちをかけたのが夏前の点検で発覚したリアサスのオイル滲みとエキパイに付いている騒音低減用の排気バルブの固着でした。そこで延命措置のためエンジン本体以外の大物部品と電装品を全部交換したらどれくらい掛かるか本気で見積もると工賃込みでR1200RTの購入時中古車両価格を超えることが判明。ようやく乗り換えに至った次第であります。


どうしてこんな距離になるまで乗り続けたのか。エンジンだけは絶好調だったからです。とにかく燃費が良い。26万キロ目前にしてほぼ新車同様だった乗り出し時点からほとんど変わっていません。1回の給油で25リットル入りタンクを満タンにすれば500キロは余裕で走る。最初のガス欠をやらかしたときは600キロを超えていました。それだけに延命か乗り換えかはかなり悩みました。

「空冷エンジン」と「乾式クラッチ」はR1100RSR100RTと十数年にわたって慣れ親しんだ「これぞBMWモトラッド(モトラッド=オートバイ)」のメカニズム。このエンジンを搭載する新車がまだ販売されてはいますが、ラインアップは「チョイと恰好つけて街乗りする」みたいな奴ばっかりで、「本気で遠乗りするモデル=RT」はありません。

「空冷最後のRT」と決別するのは名残惜しいことでしたが、自分が本当に欲しいものはノスタルジックな感傷ではなくて荷物を積んで安全に遠くへ行ける道具であるという基本に立ち返ったとき、ここらで区切りをつけるべきという結論に達しました。


概して「さすがBMW」と自慢できるような頑丈なバイクだったと思います。しかし、先に「エンジンだけは」と書きましたが、ヘッドライトバルブが年に1~2回は切れるとか、冬場の寒い朝にエンジンを始動するとオーディオの曲再生順がリセットされるとか、メインスイッチを入れても電源が入らないことがあったとか、クラッチを切った途端にエンジンが止まったとか、突然バッテリーが上がってJAFのお世話になったとか、電装系には最初から最後まで微妙な不安定さが付きまとっていました。


昨日(2022/9/4)までの走行距離は257,472km。これだけ距離を重ねた空冷DOHCのR1200RTは世界中はともかく日本国内にはそうそういないはずです。あとは納車日の回送を待つのみです。

ディーラーさんはこんな過走行車にも3万5千円の下取り価格をつけてくれました。業者さん専用のオークションに出品などされたりするのでしょうか。「とにかく安くBMW!!」という人は要チェックかもしれません。


新しい相棒はやっぱりBMWでRTの名が付きます。エンジン形式は変わらず水平対向ですが水冷で50ccほど大きくなり、クラッチも普通のオートバイと同じ湿式多板。重量は車検証記載値でプラス10キロ。2018年秋製造、走行8千キロ。ディーラーのメカニックさんが「えっ、こんなのあったっけ?」と言って営業さんにたしなめられていましたが、自分もまったく記憶にありませんでした。去年の春に名前を変えないで大幅なモデルチェンジをされたおかげでWebにもほとんど情報が出てきません。そんな感じのバイクです。納車されて写真を撮ったらまた何か書くと思います。



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