適当な人生

朝 自転車で通勤する途中
いつもの道でいつも違う光景を目にし
その度に同じこと・違うことを思う
でも仕事場についたとたん
それまで考えていたことはどこかへ消えてしまう
あぁ、いいこと思いついたのになぁ
あれは何だっけ?
何を考えていたっけ?
思い出せない

今日の朝 なんとなく何ヶ月ぶりかに
アパートのドアに取り付けてある
郵便受けを整理してみた
ほとんどは住宅・車・金貸しの勧誘
そんな中に国民年金の督促状が入っていた
そんな馬鹿な? 銀行振替にしているのに?
よくよく見てみると、今年の春に
支払い先が「豊田市」じゃない別の機関に
変わっていたらしかった
(そういえばそんなことがあったっけ)
しかもこちらで変更手続きをしなければ
ならなかったようで
まるまる6ヶ月を滞納したことになっていた
慌てて納めた半年分 七万九千八百円也
なぜかものすごく損をした気になるのは何故?

昨日は一日中曇りのはずだった
しかし夕方に降り出した雨は夜になっても上がらず
やむなく僕は雨の中を自転車で帰宅した
片手で傘を持っての7キロメートルは辛かった
しかも自転車が小径ホイールのBD−1だったのが
辛さに輪をかけた
路面の段差で大きくバランスを失う
泥除けが無いので足・背中はびしょ濡れ
その日の朝 いつものランドナーが
なぜかパンクしていた
それで何だか嫌な予感はしていたが
まさか雨の中を帰ることになろうとは
それでも自宅近くのコンビニに
わざわざ遠回りして立ち寄り
ビールを買って帰った

先日 ある本屋でバイク雑誌を立ち読みしていたら
僕が乗っているバイクが生産中止になったという
小さな記事が目に付いた
何となく悲しかった
こうなることを見越して2台持っているのだけれど
3台目はもう手に入れられない
おそらく今のまま年月が過ぎたとしても
3台目を手に入れることはないだろう
それでも「欲しい」と思う感情を持つのは何故?
手に入れられそうなものを何でも欲しがる
まるで子供のままの僕がここにいる

年をとるにつれて我が儘になっていく僕
年をとるにつれて神経質になっていく僕
年をとるにつれて冷酷になっていく僕
たった一つだけ世の中に貢献していることが
あるとすれば
まだ一人でいること
僕の人生には誰も縛り付けていないこと

2002/xx/xx