ドロップアウト

つい先日のこと。会社の後輩が今年一杯で退社するという話を、本人から直接聞いた。

彼と僕とは数年前まで同じ勤務地でしばらく同じ仕事をしていたことがある。会社の飲み会では何度か朝まで飲み明かしていたこともあり、個人的には親しみを持っていた人物だった。退社する理由は「会社から正当な評価を受けていない」という一言に集約されるようだった。
僕は彼に何もアドバイスできない。少し前なら彼の肩を持って上司に噛み付いていたりしたかもしれない。でも、今の僕は彼に何も言えない。ただ、悲しい。そしてただ願う、彼の前途に幸あれと。

今の僕には彼のように人生を自らの手で変えようとする意思はない。そのうち行き場を失ってドロップアウトするだけだろう。それもまた良しとしようか。

2003/11/5