十月になれば僕は...

辛く長い夏が終わった。これほど働き詰めだったことは今までない。と文字にしてみると、これまで割と安楽な生活を送ってきたことが実感できる。
気が付けば暦の上ではもう秋。昼間はまだまだ暑いが、朝晩はそれなりに涼しくなってきた。メッシュのジャケットを着て夜道を流していると、胸から腹にかけてひんやりとする。だがオールシーズン用のジャケットを着るにはまだ昼間が暑い。

去年の事故の後始末の日程がだいたい固まった。再来月の下旬に最終検査を行い、その最終週に抜釘(ばってい)手術を行う。
およそ二週間の入院が必要なので仕事を休まなければならないが、もうこの夏のように、仕事のせいで診察予約を何度もやり直すような事態は避けたいものだ。
後始末の前に少しだけ休暇が取れるかもしれない。いや、八月分の代休がまだ四日分残っているので、それを消化しなければ「働き損」になってしまう。ここ二ヶ月の奮闘は給与にも賞与にも反映されないので、せめて休暇だけは無駄にしたくない。

もし休暇が取れたら何をしよう?

決まっている。ただ走るのみ。
本格的に寒くなる前に北へ行きたい。そのための旅道具は只今準備中。北...具体的に何処へ、ではない。道が続く限り、もしできるなら船を乗り継いだっていい。日本列島を駆け足で南北に往復しながら、移ろいゆく景色を楽しむ。そんな旅をしてみたい。

しかし自分で仕事を選べない会社人の辛さ、これも「希望」のままで終わる可能性は残念ながら非常に高い...

2005/9/23