少し前からシートのロックにガタが出るようになりました。とりあえず実害はなさそうなので放置していると、キーを回したときにシリンダー本体まで回るほどガタが大きくなってしまいました。しかも時々ロックがかかっていないことがある。これはマズい。
ディーラーにも相談しましたが、これまで交換作業をしたことはなく、どんな構造になっているかは知らないとのこと。そこで今回はダメモトで思い切って分解してみることにしました。
車体左側にあるシート開閉用のキーシリンダーです。フレームの内側にある部品をいくつか外してあります。両側に見える小さな穴は、裏側から止まっていたボルトを抜いたあとです。
これが閉じている状態の正常な位置なのですが...
このようにシリンダーごと回るようになってしまいました。どこでロックがかかるかは手ごたえからは全くわからず、キーを抜いた後で解除ボタンを押して確認しなければならないありさまでした。
手順:
同じ状態を下から覗いたところです。
作業効率を上げるためにはシートも外したいところですが、取り付け部分が知恵の輪のように絡まっているのでかなり難しいです。
今回はとりあえず作業できることがわかったので、このまま進めました。
キーシリンダーを裏側から見たところです。小さな鉄板で蓋をされています。この蓋を外すための2本のボルトを外すためだけに、上の作業が必要でした。
蓋を外したところです。シートを実際に固定するためのカンヌキのような部品がありましたが、外してあります。実は外さなくてもよかったことに後で気がつきました。
この部分は手持ちのマニュアル(英語版)にもWebのパーツリストにも詳しい情報がなく、本当に手探りでした。
左半分の大きな丸い部分がシリンダー本体です。その中央から少し左上寄りの丸い部品が、シリンダーをフレームに固定するためのボルトです。やたら小さいサイズで、手持ちの工具に合うものがありませんでした。結局、時計用ドライバーを無理矢理差し込んで何とか分解できました。
やっと分解が終わったところです。
ガタが出ていた直接の原因は、右下のリング状の部品に少し歪みが出ていて、キーシリンダー本体の固定が甘くなっていたことでした。
プラスチックハンマーで適当に叩いて修正しました。
組み立てる際、シート側についている部品が緩んでいるのを発見しました。それだけではなく、実は取り付け方法に間違いがあったことも判りました。遡れば昨年春にシートを交換した際の組み付けミスでした。
交換した当初から、何となく固定が甘いなとは思っていましたが、古いバイクだからそんなものだろうと思っていました。今回改めて組みなおしてロックのかかり方が二段階になっていることに気がついてビックリ。まるで自動車のドアです。
まずは開いた状態からゆっくり閉じます。軽く押さえるとカチリという感触があり、半ロック状態になります。この状態ではシートはガタつきます。さらに押さえるともう一度カチリと鳴って、本当にロックがかかります。ガタはほとんどありません。
何ともいえない上質な手ごたえで、調整が終わった後に何度も確かめてしまいました。これが当時のBWMの魅力だったのか、と改めて感心してしまいました。