フットレスト ロワーニング

2012/10/20

少々変わった部品を取り付けてみましたので紹介させていただきます。少々長くなりますが、ご容赦いただきたく。

フットレスト ロワーニングって、何?

まずは「フットレスト ロワーニング」とは何ぞや、というところから説明しなければなりません。 一言で言えば「ステップ(フットレスト)の位置を下げる部品」です。英語の綴りは"footrest lowering"なので、本来の読みは「フットレスト ロワリング」ではないかと思いますが、細かいことはおいておきましょう。 模式図を作ってみましたが、わかりますかどうか。

フットレスト ロワーニング模式図1 概観

フットレストロワーニング模式図 1 概観

フットレスト ロワーニング模式図2 真上から

フットレストロワーニング模式図 2 真上から

フットレスト ロワーニング模式図3 真横から

フットレストロワーニング模式図 3 真横から

フットレスト ロワーニング模式図4 正面から

フットレストロワーニング模式図 4 正面から

図中のオレンジ色の部分がその部品になります。部品の幅①が約20ミリ、高低差②が約30ミリあります。 要はステップを30ミリ下げる替わりに外側へ20ミリ張り出す、ということです。

図4を見ていただけるとおわかりになるかと思いますが、下+外に移動というのはバンク角の減少につながっています。 この影響が意外に大きく、タイヤの端近くを使うようなコーナリングをするとステップ先端にあるバンクセンサーが接地します。 ステップが引っかかるほどではないので実害はバンクセンサーが少々削れるぐらいなのですが、ギャリギャリと割と大きな音を立てるので気分の良いものではありません。


装着状態

それでは実際に装着した写真をご覧いただきたいと思います。

写真1 左側 概観 (中) (大) 写真2 左側 前方から (中) (大)
写真3 左側 後方から (中) (大) 写真4 右側 後方から (中) (大)
写真5 右側 前方から (中) (大) 写真6 全体 (中) (大)

どうしてこんなものを取り付けたの?

インプレッションのページでライディングポジションについて少々書きましたが、ステップ位置が自分にとって高すぎたということです。

自分は数年前にやらかした自爆事故の後遺症で、右股関節と右膝の可動範囲が普通の人に比べて狭くなっています。R1200RTの場合、シート位置を低くすると股関節と膝の曲がり具合が可動域のほぼ限界近くとなり、短時間でもかなりの苦痛となります。そこで足つきの悪さを承知の上でシート位置を高くしていました。

居住地が茨城県のうちはそれでも良かったのですが、転勤で首都圏に引っ越してからは事情が変わりました。走行時間よりも停車時間の方が長いことが多いという交通事情の中、高めのシート位置では信号待ちの度に足つきの悪さが苦痛となり、低めのシート位置では走行そのものが苦痛となり、シート高さ切り替えの手間もまた苦痛となります。

この部品の存在は以前から知っていたのですが、日本人の個人ユーザでコレを取り付けたという記事がネット上で見つからず、購入には一抹の不安がありました。ショップに相談すると「見たことはないが、注文は出来る」とのことでしたので、それならと覚悟を決めて装着に踏み切った次第であります。


効果は予想以上でした。R1200RTの場合、シート位置の高と低の差は20ミリありますが、ステップが30ミリ下がったおかげでシートを低い位置にしてもさらにステップが10ミリ下がる計算になります。これでシート位置を低くした場合の苦痛が格段に緩和されました。もっとも足を着く時間が明らかに少ない状況が前もって予想できる場合には、従来どおり高めの位置の方が良いことには変わりありません。

ステップ位置が下がった弊害は先に書いたとおりですが、ライディングポジションもステップが接地する状況も、昔のR1100RSR100RTに近いと感じる自分にとっては許容範囲と思っています。


もし購入される場合の注意点

この部品はドイツのワンダーリッヒ(Wunderlich)という会社が開発・販売しています。 日本国内ではパイツマイヤーという輸入販売店でネット通販もできるようです。BMWユーザの方には昔の「動研」という名前でおなじみかもしれません。ちなみにワンダーリッヒ日本代理店のサイトには掲載されていない(2012年10月20日現在)、微妙な商品です。


さて、購入と装着にあたってネットで入手できなかった裏(?)事情がありましたので、ここでご報告させていただきます。


足が微妙に不自由な自分にとって、このフットレスト ロワーニングの存在は欠かせないものとなりました。首都圏に居住するうえで、これなくしてR1200RTに乗り続けることはできないと思えるほどの重要部品であります。

しかしながら、普通の人、すなわち足の関節に不具合がない人、タイヤの端近くまで普通に使えている人にはまったくもってお勧めできません。ご利用はくれぐれも自己責任でお願いします。


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