2003年秋の一人旅

1日目・トヨタ国〜嬉野温泉

1日目

10月16日(木)

午前4時30分頃。まだ静かな住宅街を密かに脱出し、東名高速に入った。折りしも集中工事の最中で車線規制がしかれていたが、時間が早かったせいか、渋滞には遭わないで名神高速に移った。
黒丸というパーキングエリアで朝食。昨日買っておいたコンビニのムスビとおかずを熱いお茶で腹に流し込んだ。GPSレシーバの電源を入れ忘れていたことに気が付いてスイッチを入れた。
名神高速 黒丸PAにて
中国道に入る時、少しばかり渋滞があった。山陽道を割と速いペースで進み、昼前には岡山県に入っていた。瀬戸パーキングエリアで休憩中、ふとタイヤを見ると、消しゴムみたいな削れ方をしていた。フル装備での110km/h巡航ではタイヤに負担が掛かりすぎるようだった。ついでに車体周りを点検していると、隣に停めた車のオジサン二人が話し掛けてきた。「白バイみたいだね」などというとりとめのない会話をしばらく楽しんだ。
昼食は宮島サービスエリアのラーメン専門店で「しょうゆラーメン」と「餃子」を注文した。ところが出てきたのは「味噌ラーメン」だった。店側の間違いだったので作り直させた。それにしても、「専門店」にしては旨くない店だ。昼食後、展望台から宮島を眺める。いつ見ても「ふるさとの景色」という気分が味わえて気持ちがいい。ふと後ろを見ると、ベンチに座っていた人の周りに野良猫が4〜5匹集まっていた。
山陽道 瀬戸PAで休憩中
巡航速度を90km/hに落としてノンビリと西へ向かうと山口県内で中国道に合流する。壇ノ浦のパーキングエリアで関門海峡と門司港を眺めながらしばらく休憩して九州入り。九州に入ってから博多までは意外と距離がある。スピードを上げたいところをじっと我慢の走りが続く。
関門大橋にて
大宰府を過ぎて鳥栖ジャンクションで長崎道に入る。このジャンクションは大分道への分岐もあり、割と複雑な道路レイアウトになっている。そういえば、アスファルトの色が赤・青・黒の3色に分かれていた。
西日を受けながら金立(きんりゅう)というサービスエリアに到着した。地図を見るとどうやら佐賀県らしい。ファストフードコーナーでラーメンを食べたが、博多ラーメンっぽかった。それでも昼食のラーメンよりは十分に旨い。ここで本日最後の給油を行って、今夜の宿を決めなければならない。嬉野温泉が近そうだった。そういえば有名な温泉街だったが、佐賀県だったのか。平日だから空いているだろう。
長崎道 夕暮れの金立(きんりゅう)SA
嬉野インターで高速から出た。あたりはもう暗い。インターを出てすぐの信号を直進すると、温泉街に入った。旅館の立ち並ぶ中を不安な気分で進んでいく。駐車場があって安そうな宿...これまでは宿を取るのが嫌でテント泊を続けてきたのだが、今度の旅ではテントは「最後の手段」と決めている。
気が付くと大きなバス停があった。バイクを停めて見回すと、温泉街の地図があった。中心部から少し外れた場所に当たりをつけて、飛び入りで泊まれるかを訊いてみることにした。角を3つ曲がった先に「初音荘」という看板が見えた。玄関前に駐車スペースがある。まずはここだ。バイクを停めて玄関を開けて尋ねると、1泊朝食付きで6千円で空き部屋有り。即座にOKした。
本当は長崎まで行くつもりだったのだが、タイヤ温存優先でペースを落としたせいでたどり着けなかった。いやはや、九州はやはり遠いぞ。それを実感した。温泉は貸しきり状態で、大風呂に一人ノンビリと、1時間近くも浸かっていた。

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