長期休暇を利用して初めての北海道旅行に行ってまいりました。
北海道は大きかった。行き帰りに大間航路を使ったこともありますが、全然時間が足りませんでした。2日で稚内まで行って3日目には本州に戻り、あとは東北をゆるゆると南下するつもりだったのです。今思えば何と無謀な計画だったことか。
札幌ラーメンも旭川ラーメンも食べられなかった。当てにしていた札幌のディーラーは直前に閉店していた。東北の田舎町では夏祭りと重なって宿が取れなかった。最終日は雨で米沢を回れなかった。
でも「行き当たりばったり」というスタイルが好きな自分にとっては十分に楽しめた旅でした。行けなかったところはまたいつか行けばいい。それだけのこと。
また行こう、またいつか。
1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 最終日目的地は青森県大間町。もっと手前の青森港からもフェリーが出ているのだが、北海道に渡るといえばやはり「本州最北端の地」をおいて他にないではないか。運がよければ夕方の便に乗れるかもしれない。乗れなくとも大間のテントサイトで野営すれば、朝一番を逃すこともあるまい。そんな、なんともいい加減なスケジュールで出発したのは午前6時15分頃。
午後2時前、高速道路終点に到達。ほぼ予定通り。ここから一直線で大間を目指そうとした目の前に、浅虫水族館が立ちはだかった。しまった、ルート上にこんなものがあろうとは。水族館とあらば寄るしかないではないか。かくしてスケジュールは1時間半遅れとなった。
大間到着は午後6時少し前。しばらくウミネコとたわむれたあと、フェリー桟橋の下見に出かけた。事務所がまだ開いていたので明日の便に空きがあるか尋ねてみると、「5時に開くから並んでくれ」とのこと。では早速、設営して就寝しなければ。
テントサイトに戻って手際よく設営。近くの売店でビールとツマミを確保。いつまでもおしゃべりを止めないハーレー乗りの集団にイライラしながら、缶ビールを空けて寝袋に潜り込んだ。
午前3時台に起床。4時過ぎに早々とテント撤収。5時前に桟橋に行くと、既に先客がいた。
スズキ製1200ccの大型バイクに乗る学生の彼氏としばらく歓談していると、怪しげなバイクが2台やってきた。世紀の珍車、R100RTが霞んで見えるほどの強烈なバイクに思わず写真撮影。おかげさまでフェリーの中では退屈しないで済んだ。
函館から道央道まで70キロ以上あることを知ったのはフェリーの中。下船すると別れの挨拶もそこそこにバイパスを目指した。まるで土地勘のない道を、ただ標識に従って走る。
八雲という町でようやく道央道に乗る。しばらくは片側一車線の対面通行のはずだから、楽ができる...ところがどっこい、北海道は甘くなかった。片側一車線とはいえ路肩が広い。対面通行も何のその、普通に時速100キロペースで流れている。ガソリンと体力を絞ってエコランしていると、あっという間に追いつかれる。そのたびにハザードを点灯して路肩に逃げ、パーキングエリアの度に休憩を入れる。なんだこれは。疲れるじゃないか。
苫小牧を過ぎてようやく道央道は片側2車線になり、後方を気にせずにエコランできるようになる。道路標識を慎重に確認しながら札幌市内を抜け、がむしゃらに北を目指す。旭川で宿を取ろうかと思ったが、まだ日が高い。とにかく北へ進む。
終点に近いところで路面が濡れていることに気が付いた。普通のバイクなら足先がビショビショになっているところだが、R100RTのカウルは体のどこを濡らすこともない。やがてポツポツと降り出したが気にしない。終点はもうすぐそこだ、降りてから雨宿りの場所を探すさ。
高速を出ると雨は止んでいた。出口の交差点に稚内までの距離が...198キロメートル!
気力が萎えた。ガソリンも尽きた。今日はもう宿を探して寝てしまおう。というわけで、士別という町に入って最初に目に付いたホテルに飛び込んだのであった。
写真の枚数が物語るように、この日はこの旅のハイライトだった。
朝、雨が上がったばかりと思しき道を北上するうちに本降りになった。土砂降りに近い雨の中、雨宿りをする場所を探して距離を重ねるうちに雨は上がってしまった。途中のコンビニで弁当を買って食べ、サロベツ原野の地名を目にする頃には快晴になった。
道端の展望台から眺める平原の向こうに、雲に覆われた山が見える。利尻富士だ。その雄姿に勇気づけられて、さらに北へ進む。
宗谷岬に付いたのは昼過ぎ。士別から200キロ少々、約5時間の道のり。記念写真だけ撮ってさっさと引き返すつもりだったのだが、初めて見るオホーツク海の何ともいえないドス黒い青と、背後の青々とした丘陵との色の対比に挽きつけられて、動くことができなくなった。
岬の売店で記念のステッカーを買い、商店街の一角にある食堂で値段の張る海鮮ラーメンを食し、岬のすぐ後ろの丘に歩いて登ってしばらく散策。これだけで滞在時間は約1時間半。
もうひとつの目的地、納沙布岬に到着したのはもう午後3時だった。お目当てはもちろん水族館。その名も寒いノシャップ寒流水族館。水族館裏の駐車場の片隅にR100RTを停めると、「南極越冬隊資料展示コーナー」と銘打った建物が目に付いた。入場無料を確認して恐る恐る入ると、子供の頃に聞いた覚えのあるタロ・ジロの像が目に飛び込んできた。無造作に並べられた資料だが、第一次南極越冬隊の貴重な資料だ。しばらく壁の記事に見入ってしまった。
ようやく水族館に入ると、まだ幼いゴマフアザラシの仔に釘付けになった。この可愛さは反則モノだ。見ていて飽きない。しかし時間が無い、急がねば。
水族館の規模自体は小さなもので、展示内容もだいたいありふれたものだ。2階から始まって1階へ。そこで足が止まった。円形の大水槽に泳いでいるのは1メートル級のオオカミウオ、オヒョウ、そして幻の淡水魚、イトウ。淡水魚であるイトウを海水に慣らして混泳させている。それが一匹だけではない。何というデタラメな展示!こんな面白いものを見ることができようとは!
出口で再び先ほどのゴマフアザラシに引き止められ、都合40分近くも消費してしまった。
灯台と利尻富士、そして自衛隊のレーダーサイトをカメラに収めて納沙布岬を後にしたのは午後4時。もう宿探しの時間帯だ。温泉宿などあるのだろうか。そんな不安を感じながら来た道を引き返す。
豊富という町の手前で、往路はバイパスしてしまったサロベツ原野の中を走る旧道に向かった。だだっ広い道、誰も来ない。途中、自動販売機を見つけて休憩していると、巨大なトラクターがすぐ横を通り過ぎた。本州人の非日常と北海道人の日常が交差する。
宿をどうしようかと迷っているうちに、「展望台」と書かれた看板が目に入った。見えてしまったからには行かねばならない。そして見たのは広大な原野の向こうに雲を纏う利尻富士の姿だった。雲を纏う、としか表現できない。快晴の空の下、その山だけが雲に覆われているのだ。あれが海を隔てた島なのだとは想像もつかない。
日没まで粘れば素晴らしい風景を見ることができるのは容易に想像できたが、こんなところで野営するつもりはない。地図を見ると「豊富温泉」というのがあるらしい。原野から山の中に向かって数キロ走ると温泉街の入り口が見えた。中心にある建物は日帰り温泉らしい。旅館を探そうと一旦端に出ると、温泉街入り口にあるホテルはいきなり営業停止中。こんなところにも不景気の波が。果たして泊まれる宿はあるのか?と焦ったが、次に見つけたホテルに泊めてもらえることになった。夕食はミズダコのシャブシャブやカニの足など、いかにも北海道というものだった。それよりも温泉がよかった。微妙に油っぽい湯。湯船にびっしりとこびり付いたカルシウム分が歴史を感じさせる。
「最北の温泉郷」に来れない方のために、温泉の通信販売をされている。興味のある方は是非お試しください。
5時台起床。誰もいない朝風呂に浸かって短い二度寝のあと、7時ごろ大広間にて朝食。8時過ぎに宿のおかみさんに写真を撮ってもらい、出発。
すぐ近くに「トナカイ観光牧場」なるものがあるのを知り、訪れてみたものの時間前だった。駐車場のすぐそばの柵には豚が寝ていた。その柵の向こうのそのまた柵の向こうにトナカイらしい動物の群れがいることだけ確認して立ち去った。
この日は北海道脱出に向けての移動日。しかし同じ道を引き返すのも芸がないので国道232号線という海沿いの道で札幌を目指すことにした。このルート選択は大正解だった。盆を過ぎた平日。車が少ないし天気もいい。さえぎる物ないシーサイドルート。R100RTの真価が発揮されるのは高速道路よりもむしろこんな田舎の国道なのだ。走っているのが休憩しているのと大差ないので、信号とトイレ休憩以外に止まる事もなく淡々と距離を稼いでいく。留萌という町で国道番号が231に変わった他には大したイベントもなく、変わらないペースで海沿いを走りつづけた。
雄冬岬の手前のトンネル連続区間を抜けたところで「展望台」の文字が見えた。この3文字には効しがたい魅力がある。急な坂道を登って駐車場に着くと、階段の向こうに素敵な見晴台が見えた。カラスの巣窟となりかけている展望台からの見晴らしは素晴らしいものだった。階段は展望台のもう少し上まで続いていたが、壊れている個所があるとかで通行止めだったのは残念だった。
その後も淡々と走りつづけるうちに、石狩川にかかる大きな橋にさしかかった。橋の写真を撮ろうと思って国道を外れたすぐそばに公園があった。公園からさらに川の方向に伸びた道を進むと、橋が見渡せる好位置に出た。バイクを止め、改めて橋を眺める。なんという長さ。どうやっても橋全体を1枚に収められない。さすがは石狩川。いつか上流まで行ってみよう。
ほどなく札幌市内。セルフ式ガソリンスタンドで給油したところ、走行309.5キロで給油量14.65リットル。リッター21キロという好成績だった。さて、市内に入って高速道路に上がる前に、前日の朝に使い切ってしまった予備のエンジンオイルを補充しておかなければならない。確か高速道路沿いの道から近いところにディーラーがあったはず。しかし「2005年版BMWモトラッドディーラーリスト」に記されたその住所に店はなかった。なんたること!先月BMW Japanのサイトで見たときは載っていたはずだが...体の奥から疲れが滲み出てくる気がした。札幌市内にはもう一軒ディーラーがあったはずだが、引き返す方向なので面倒くさい。最悪自動車用のオイルで我慢するかと思ったが、残量をチェックすると思ったより消費量が少なかったのでそのまま進むことにした。
札幌インターから道央道に入る。平日だから1000円乗り放題は使えないので、100キロごとに降りて高速料金をケチる作戦に出る。札幌発16時。最初の100キロ区間である登別東で18時前。有珠山のサービスエリアで夕食を取っているうちにすっかり日は暮れた。二度目の100キロ区間の長万部は19時半、道央道終点の八雲に戻ったのは20時丁度だった。ここから70キロ先の函館を目指すか、それとも早々に宿を取るか。躊躇することなく携帯で宿を探し、数キロ先の駅前にあるホテルで部屋を確保した。
線路沿いにあるホテルの駐車場にバイクを止めると、丁度札幌行きの特急がやってきた。そういえば昔は常磐線経由の北海道行き特急ってのがあったとかなかったとか。そんなことを思い出しながらホテルに入った。
それほど早くもない時間に起床。チェックアウトして外に出ると、ポツポツと雨が降っていた。記念撮影をして国道に出ると、じきに本降りになってきた。空いている道を幸いとぶっ飛んでゆく大型トラックを盾にして、雨具なしで粘れるところまで粘ってみる。
数十キロ先でようやく道の駅を見つけた。トラックから離れ、「昼間閉鎖中」の札が出ているトイレの屋根の下にR100RTをねじ込んだ。しばらく雨の様子を見たが、止む気配がないので雨具をつけ、再び雨の中に飛び出してゆく。
強まったり弱まったりする雨の中を、何事もなく函館方面に向かってゆく。やがてバイパスに入り、十数キロを一気に駆け抜けて市内に入ると雨は止んでいた。2日目に渡ってきた港をさがして少し道に迷い、フェリーターミナルに到着。昼の便を予約し、出航までの数時間、待合室で仮眠したり構内を歩いたりして暇つぶし。
3階の待合室で海を眺めていると、大きな双胴船が入ってきた。高速船、いや高速フェリーだ。自分は大間航路、あちらは青森航路なので残念ながら乗ることはできない。せっかくだからそいつが港に着いたところで写真でも撮ってやろうと外に出てみた。船体を埋め尽くすかわいらしいイラスト。船首に船名が書いてある。「ナッチャンWorld」だって?なんだこの船は?
館内を回って船の情報を探してみると、どうやら期間限定運行らしいことがわかった。いくつかのパンフレットには目の前の「ナッチャンWorld」と並んで似たようなタイプの船の写真があったのだが、それに関する情報はなかった。旅の後でわかったことだが、パンフレットにあったもう一隻のフェリーは、「ナッチャンRera」といい、「ナッチャンWorld」と同時期に就航したそうである。不況のせいで両方ともわずか数年での退役を余儀なくされたものの、「World」の方だけ今年の夏限りの期間限定で運行しているとのこと。興味のあるかたはWikipediaなどで調べてくださいませ。
さて、数時間のインターバルを挟んで出航は13時50分。本州に戻ったのは午後3時半を過ぎていた。大間の町でガソリン補給をすませ、往路とは反対方向、下北半島の西海岸を進む。目指すは「仏ヶ浦」。
なにしろ予備知識がまったくない。行けども行けども海岸線を上ったり下りたりの連続。車がほとんどいないのである程度のペースは保てるものの、日が暮れるまでにどこまでいけるかまったくわからない。そんな中、突然現れた「仏ヶ浦駐車帯」。場ではなく帯。それらしく展望台もある。さっそくバイクを止め、バッグからカメラを取り出して海を見る。そこに「仏」たちはいた。風雨に削られた岩の列、それを仏に見立てたという。なるほど、いわれるとそう見えてしまうから不思議だ。仏たちの足元に見える船着場と数人の人影、その大きさの対比がまた「仏」を思わせる。
海岸まで下りられる場所があったのだが、時間的に余裕がない。残念ながら立ち去り、むつ市を目指した。休みもなく走りつづけ、どうやら暗くなる前に市内にたどり着くことが出来た。しかしドラマはそこから始まった。
市内中心部にさしかかると、急に車の流れが悪くなった。しばらく進むと道の両端に浴衣姿の若者が目立つようになり、その前方に交通整理の警察官が見えた。なんということ、夏祭りに当たってしまった。
なんとか祭りの区域を抜けた。抜ける間に2、3件の旅館が見えたが、どう見えても部屋が空いているとは思えない。携帯で周辺の宿を探し、その中から割と遠くで値段の高そうなホテルに当たってみたが、満室とのこと。仮に市内の旅館で部屋が空いているとしても、夏祭りの列を突ききって行くことはできない。しかたがない、今日は野営だ。
すっかり夜になった国道を六ヶ所村方面へ爆走する。しかしフェリーに乗る前に思い切り休んでいるので疲れがない。このまま三沢か八戸に出るか、と思ったところに「旅館」の看板が見えた。数キロ先にあったその旅館はまだ玄関の明かりが付いていた。ダメ元で飛び込んだが、宿のおかみさんは快く迎えてくれた。しかも安い!
風呂に入り、玄関の自動販売機でビールを飲み、携帯で掲示板に書き込んで眠りについた。時々、良くも悪くも予想外のことが起こる。だから旅は面白い。
早起きして宿のおかみさんに挨拶をして外に出た。深い霧が立ち込めていた。視界は100メートル少々といったところだろうか。
記念写真を撮って走り始めた。雨が降ったわけではないが、路面がところどころ濡れている。視界も悪いので心持ち慎重に進んでゆく。2000年の夏に通った道だが、あの時も霧の中だった。ヘルメットのシールドがたちまち曇り、何度もグローブで拭いながら走り続けた。視界が悪いどころの話ではなかった。しかし今回のR100RTは違う。水の中から目だけ出している魚か蛙のようなもので、ヘルメットのシールドは全く曇らない。視界が悪いとはいえたっぷりと100メートル以上ある。あの時と比べたら、悪条件とさえ呼べない。
三沢市の手前のコンビニで朝食を取り、八戸市を目指して再び走り出す。目的はウミネコの天国、蕪島。何度か道を間違えたり標識を見落としたりしながらたどり着いた。駐車場に何羽かのウミネコがいた。神社の階段を上ってひと気の無い境内を一周したが、ウミネコはいなかった。神社から港を見下ろすと、陸地から離れたコンクリートの防波堤の上に集団が見えた。もう子育ての季節は終わったのだろうか。
久慈という町に入り、やませ土風館という大きな道の駅で休憩をとった。そこで先ほど通過してきた道から少し外れたところにもぐらんぴあという水族館があることを知った。引き返そうかと思ったが、この道の駅にも「レトロ館」なる怪しげなB級観光施設があるのでそちらを見ることにした。元は個人の収集物だそうだが、恐ろしいほどの量がある。撮影禁止とあったので写真が無いのが残念である。
久慈から海を離れて内陸・盛岡に向かう。気持ちのいい峠道を登りきったところに道の駅があった。食事どころがあったので寄ってみると、定食からラーメンまで色々充実している。「鬼ラーメン定食」というのを注文してみると、唐辛子色の野菜味噌ラーメン定食だった。ボリュームたっぷり、おまけに辛い。ラーメンだけでよかったと少々後悔しながらも完食。その後、売店に向かう途中の通路に山積みされたワインが目に入った。こんなところでワイン?と思ったら山ぶどうワインだった。物珍しさに赤白の小瓶を1本ずつ買い求めた。
盛岡手前で道路工事のため若干渋滞したものの、特に問題なく市内に到着した。用事はここではなく、東北道のインターチェンジそばにあるBMWディーラー。札幌で補給し損ねたエンジンオイルである。早速オイルを購入。店内に展示中のウラルというサイドカーに見とれて店の人としばらく話し込んだ。ウラル、いつかは欲しいバイクの1台。エンジン音まで聞かせてもらって気分が良くなったところで久しぶりの東北道。
平日なので100キロ以内乗り継ぎケチケチ作戦発動。時間、距離的には日立まで帰れるが、それではあまりにも芸が無い。だが天気がどうも思わしくない。携帯で調べると、明日は雨。さて、どうしようかと思って地図を見る。100キロ圏だと先日訪れた平泉、その次の一関。おや、温泉があるぞ。というわけでこの日の目的地は一関と決まった。
一関インターにほど近いところに厳美渓という温泉がある。温泉の目の前にある道の駅から携帯で宿を探し、電話して部屋を確保。小雨降る夕暮れ、ホテルに到着すると玄関に巨大なバイクが止まっていた。ヤマハのV-MAX、1700cc。居合わせたオーナーさん曰く、燃費がリッター5キロだか10キロだか、とにかく悪いとか。
食事と風呂の後、翌日の予定を考える。テレビの天気予報は雨。北海道で時間を食い過ぎたせいで、中途半端な旅の終わりを迎えそうだった。
6-1. 前日の宿 旅館やまじゅ |
6-2. R100RT 蕪島をバックに |
6-3. 蕪島神社の参堂 境内にウミネコはいなかった |
6-4. 神社下の公園にいたウミネコ 島での子育ては終わったのか |
6-5. 国道281号線沿い 葛巻町の道の駅 なぜかラーメンが旨かった |
6-6. 晩御飯 |
川の音で目が覚めた。窓を開けるとすぐそばが渓谷。出発までのわずかな時間しか見られないのが惜しい。
朝風呂、食事のあと出発準備。テレビの天気予報は雨。玄関に出ると小雨が降っていた。記念写真を撮ろうと外に出た途端に降りが強くなり、あれよあれよと言う間に本降りになった。雨具を着込んで出発。
数分先の高速入り口で東北道に入り、仙台方面に向けて走る。最初の100キロ圏、仙台南に到着。雨の高速は面白くないので下道を走ることにした。流れの悪い細い道で国道4号線までじっと我慢。国道4号線から349号線に入ってしばらく行ったところで自動販売機を見つけて休憩。このあたりでやっと雨がやんだ。
勝手知ったる道を普通に帰るのも芸がない。そこで山越えして相馬に抜けることにした。角田という町で349号線から113号線に乗り換え、阿武隈川を渡って丸森という町へ。今しがた雨がやんだばかりと思しき濡れた路面を踏みしめて、大沢峠という峠を一気に越えたらすぐに6号線に出た。
途中、どこかの町で事故現場に遭遇した。現場数キロ手前から渋滞していた。通過するときに車が横転しているのが見えた。双葉という町で国道沿いにあるラーメン屋に入り、少し早めの昼食をとった。このラーメン屋はチェーン店だが、自分はその昔、日立在住だった頃から気に入っている。そういえばいつも混雑しているような気がする。この日も平日だったが席はほとんど埋まっていた。
夜ノ森という町でようやく常磐道にもどった。四倉のパーキングエリアで「ナマコの塩漬け」という怪しげなみやげ物を買ってみた。要冷蔵だったが、もう高速で帰るだけだから問題ないだろう。
いわき中央インターで一旦出て入り直す。あとは一息で帰れる。少しペースを上げ、午後3時半に日立南到着。途中のコイン洗車場で雨に汚れたR100RTを水洗いして、コンビニでビールを買って帰宅。空はすっかり晴れていた。
東北巡りが中途半端になってしまったけど、何かしら達成感を得たツーリングだった。早速ナマコの塩漬けをつまみながらビールを開けた。ナマコが思ったほど美味ではなかったのが少々残念だった。
走行距離 | 2,993キロメートル |
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燃料消費量 | 152.2リットル |
平均燃費 | 1リットルあたり 19.7キロメートル |
【旅日記】 | 【日記帳とか】 |