ツーリングレポート・1999年夏(3)

復路:広島−神戸−大坂−京都−名古屋−川崎
1999/08/14   551.6mile(882.6km)

1999/08/14 08:43 12988.7

@広島西区役所前

丸一日休養した。墓参りも何もせず、ただ両親と弟と一日だけ一緒に過ごしただけで、今回の旅は終わりを告げる。家の前で写真を撮ってもらい、つかの間の広島に別れを告げる。
天気予報では関東地方大雨。渋滞と雨は最初から覚悟の上だったが、洪水警報が出ているとなると、高速道路、特に東名の通行止めが考えられる。
 
しかしじたばたしても始まらない。来た以上は帰るしかない。果てしなく長い帰途が始まった。 

広電と原爆資料館をカメラに収め、国道2号線に出て山陽道の入口を探し始める。どこにどういうインターチェンジがあるのかはまったく知らない。今の世の中、とりあえず標識ぐらい出てるだろう。 

何度か迷いながらも、広島東というICにたどり着いた。地図を持っているか、場所を知っていればあと30分は早く着けたにちがいない。 
でもこれが旅というもの。いいんだよ、これで。

広電の路面電車


1999/08/14 10.28 -----.-

@山陽自動車道 「福山SA」

 
車は多いものの、流れは比較的順調で、大した渋滞もなく広島県内を通過しようとしている。下り車線の「しまなみ街道」分岐点付近は渋滞していて、交通整理のパトカーが出ているのが見えた。 

ちょっと早めの昼食代わりにSAによって「たこ焼」を食す。爪楊枝で刺すと、タコとはちょっと違った感触。口に入れるとキャベツだった。キャベツの刻み方はちょっと雑かな。でもタコは大き目だった。 
ソースはおそらく広島名物の「お多福ソース」で、食感はほとんど「タコ入りお好み焼き」だった。これはいける。マジで旨い。

山陽自動車道 福山サービスエリア


1999/08/14 11.47 13132.8

@山陽自動車道 「竜野西SA」

給油ポイントをチェックする。ここで入れるか、次のSAがどこか。地図を探し、次の三木SAで給油することに決定。ギリギリだがこの調子だともってくれるだろう。

1999/08/14 13.10 13164.3

@山陽自動車道 「三木SA」

SAに入って止める場所を探し、バイク用のスペースに入れようとしたところでエンストさせてしまった。立ちゴケ。こりゃみっともない。しかも起こそうとしても体に力が入らない。四苦八苦しているところをビューエルに乗った若いお兄ちゃんに助けてもらった。
どなたかは存じませぬが、どうも助かりました。この場を借りてお礼申し上げます。
とりあえずバイクをチェック。ダメージはなさそう。体の方も無事。舌打ちしながらトイレに入り、用を足して出たら激しい雨が降っていた。もう少しゆっくり走っていたら雨に遭うところだった。本当にタッチの差。
雨はしばらくして上がったが、念のため合羽を着込む。しかし熱い。
汗だくになりながら着込んでガソリン補給を済ませた。

1999/08/14 15.11 13250.9

@名神高速 「黒丸PA」

三木SAを出てしばらくすると、やはり雨になった。急にペースを落とす周囲の車やバイクを尻目に、「猫」は滑るように進んで行く。山陽道から名神高速に移ると、京都まで渋滞の電光掲示。雨は上がっていたが、いつ降り出してもおかしくない空模様と気温。とにかく蒸し暑い。深呼吸すると喉がむせるほど湿度が高い。水温計に気を遣いながら、のろのろ運転の車の間を擦り抜けて行く。
京都を抜けると今度は米原手前で渋滞。渋滞を抜けても車が多く、だいたい50mph程度のペースで進んで行く。
休憩のために立ち寄った「黒丸PA」。名古屋までおよそ100km、東京までは約400km。今日中に帰るのはさして難しくない。しかし直前の電光掲示版に、「通行止め情報」という文字が見えていた。どこだ?今日のことなのか、それとも集中工事のお知らせか?PA内で掲示板を探したが、めぼしい情報が得られない。蓄積する疲労。不安。それでも「猫」は、重い鼓動を響かせながら、僕の騎乗を待っている。

1999/08/14 16.05 13287.1

@名神高速 「養老SA」

関ヶ原付近の渋滞を抜けると平野部に出る。空は晴れていた。西日、というほどに日は傾いていない。雨合羽を脱ぐことにする。

1999/08/14 17.58 13386.6

@東名高速 「遠州豊田PA」

養老SAを抜けてしばらくすると渋滞が始まった。名古屋市内までの大渋滞を、車の間を擦り抜けながらのんびりと距離を稼いで行く。名古屋を過ぎると車が急に少なくなった。ここぞとばかりにペースアップして距離を稼ぐ。
浜名湖SAで給油だけ済ませ、その先のPAで休憩。腹ごしらえにカレーライスを食す。そして東の空を眺めながらしばし休憩していると、何やら綿ゴミみたいなものが飛んできている。何だ?埃か、花の種か?と思ったら、小さな小さな虫だった。よく見ると、「猫」のシートからタンク、スクリーンまでびっしりとたかっている。気味が悪くなり、早々に立ち去った。

もう給油の必要はない。あとはどこで雨が降り出すかを見極めて合羽を着込んだらノンストップで走るだけ。真っ黒な雲に覆われた東の空に突っ込むように前に進む。
牧之原についた時、雨はまだ降っていなかったが合羽を着ることを決断。もう日は沈みかけていて、それほど暑くもないというのが理由だった。防水個所を確認して再び本線に戻る。後は沼津周辺と大井松田からの2度の大渋滞を無事に通過することを考えればいい。

由比ヶ浜に差し掛かる頃、ふと気がつくと路面が濡れていた。つい先ほどまで雨が降っていたような雰囲気。前の車が飛ばす水飛沫で視界が狭いが、往路の雨中徹夜走行を思えばなんでもない。
富士川を渡り、しばらくすると車の流れが悪くなった。案の定、沼津〜裾野付近で渋滞しているようだった。朝から10時間近くも高速道路を走りっぱなしで、さすがに疲労が溜まっている。しかしあとは帰るだけ。帰って寝るだけ。早く帰って広島の両親に報告して安心させなければ。
御殿場までの上りもペースが上がらない。50mphそこそこのスピードでのろのろと長い上り坂を登って行く。御殿場からの下りは車がばらけるので若干走りやすい。それでも60mphに満たないペース。フラストレーションが蓄積する。焦ってはいかん。自己暗示を掛けるように心の中でつぶやく。
大井松田IC手前で前方にハザードランプの列が見えた。やっと帰ってきた。いつもならうんざりする横浜までの大渋滞だが、なぜか懐かしく思えた。下手にスローペースで流すよりも、車の間を擦り抜けたほうが目が覚めてよろしいというもの。

1999/08/14 21.20 13538.4

@川崎市

我慢の走りを重ねることしばし、ついに横浜ICにたどり着いた。料金所をくぐり、保土ヶ谷バイパスに出た途端に今までの憂さを晴らすように飛ばして行く。保土ヶ谷バイパスから横浜新道、首都高速に入るともうすぐそこ。ここまでずっと路面は濡れているものの、ついに雨には遭わずに済んだ。ラッキーだった。
出口から数十メートルでアパートに到着。バイクを止め、合羽を脱いでから風呂に湯を張っている間にビールを買い、広島の家に電話を入れて本日の行動終了。
風呂上がりにビールを飲みながらニュースを見ていると、関東地方は豪雨で大変だったらしい。

この3日間の総走行距離は、 1333.7マイル2133.92キロ
全く、よく走ったものだ。


<燃費データ>
給油地点 走行距離(mile) 走行距離(km) 給油量 価格(税込) 平均燃費(km/l) 単位価格(\/l)
国道1号線沼津バイパス 176.4  282.2  12.5  \1,155 22.6  \92.40
三重県四日市市内 179.2  286.7  11.0  \1,016 26.1  \92.36
山陽道竜野西SA. 192.7  308.3  13.4  \1,282 23.0  \95.53
島根県広瀬町 140.0  224.0  10.0  \1,040 22.4  \104.00
広島市佐伯区 182.9  292.6  11.2  \1,117 26.1  \99.73
山陽道三木SA. 189.5  303.2  13.8  \1,322 21.9  \95.59
東名浜名湖SA. 209.5  335.2  13.2  \1,261 25.4  \95.53
(計) 1270.2  2032.3  85.2  \8,193 23.9  \96.22

<有料・高速道路料金データ>
道路名・料金所・区間等 料金
横浜新道 \150
新湘南バイパス・茅ヶ崎料金所 \300
新湘南バイパス・茅ヶ崎海岸料金所 \100
西湘バイパス \200
箱根新道 \200
第二阪奈有料道路 \650
阪神高速道路・長田料金所、東大阪線〜環状線〜神戸線 \700
阪神高速道路・芦屋料金所、神戸線 \500
第二神明道路・須磨料金所 \200
神戸淡路鳴門自動車道・神戸西本線料金所 \300
山陽自動車道、神戸西〜岡山 \2,700
中国自動車道・米子自動車道、中国勝山〜米子 \1,650
山陰自動車道、米子〜安来 \200
温品バイパス \200
山陽自動車−名神高速−東名高速、広島東〜横浜町田 \12,800
横浜新道 \150
首都高速・三ッ沢料金所 \500
\21,500

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