ツーリングレポート・1999年夏(2)

往路(2):広瀬−松江−江津−広島
1999/08/12   190.2mile(304.3km)

1999/08/12 05:00 12796.6

@島根県広瀬町「さぎのゆ温泉」...付近の河原

 
肌寒さで目が覚めた。寒い。長袖のシャツを羽織る。テントを触ってみると、何となく湿っぽい。夜のうちに雨でも降ったか?と思い、外に出てみるがその気配はない。バイクに歩み寄ると、夜露でべったりと濡れている。カバーを持ってこなかったことが悔やまれたが、どうせバイクが濡れるかカバーが濡れるかのどちらかだ。雨が降らなかったのはもっけの幸い。そう思わねば。
とりあえず、写真を数枚撮る。バイクとテントと自分と、近くに放置されていたブルドーザーと。
日が昇るまでは少しばかり間がある。テントが乾くまで待つか、それとも畳んでしまうか。でも何もない場所でじっとしていられるはずもなく、水滴を払いながら畳んでしまう。
広瀬町 飯梨川河川敷にて
広瀬町から懐かしい峠を越えて松江市内へ向かう。その昔は難所だった道だが、今は見違えるようなワインディングと化していた。しかし峠の入口には「大型通行止め」の標識があった。あれは何だ?というのが引っかかっていたが、松江市側に下ってしばらくすると、昔のままの細い道になった。なるほど、このことか。

夏とはいえひんやりした感じのする朝の空気を切り裂いて、松江市内到着。懐かしいけれど、なんとなくどこかが変わっているような気がする。どこがどうとは言えないけれども。

一畑電鉄 松江温泉駅
松江温泉から嫁が島・乃木方面を望む お城の写真でも、と思ったが、しばらくお堀の周りをうろつきながら撮影ポイントを探すうちに、金を払って城内に入らなければ天守の写真など撮れはしないことを思い出した。これで松江城の撮影を断念。

お城から数百メートル行ったところで、友人が住んでいる場所に近いことを思い出した。電話を入れてみたが、間違い電話。どうやら出掛けにメモってきた番号が間違っていたか、それとも「松江にいる」というのが僕の勘違いだったか。一畑電鉄の松江温泉駅と、宍道湖の嫁が島だけ写して出雲方面に向かった。

湖北線。学生時代、自転車で、あるいは徒歩で、何度となく通った懐かしい道。今こうしてバイクでのんびりと走る。そういえばあの頃、どこかをのんびりと走る余裕があっただろうか?今もあるとは思えないが、少なくともあの頃よりは大人になっているような気がする。歳を取ったと言い換えてもいいだろう。
出雲大社本殿

出雲大社から国道9号線に出て、日本海沿いに走って行く。大田から三瓶山に向かうか、それともそのまま江津まで走って江の川沿いにのんびり走るか。迷いながら走っていたが、迷っていると曲がれるはずもなく、大田市内を素通りしてしまった。

サンドミュージアム 全景 一年砂時計
仁摩町サンドミュージアム。砂の博物館である。ここには知る人ぞ知る「一年砂時計」がある。入館料700円也。「一年砂時計」君と御対面。頭上はるかに釣り下げられたそれは、でかいの一言。まぁ、よくもこんな閑なものを作ったもんだ。砂時計本体はドイツ製だそうだ。あっけにとられながらも一休み。

1999/08/12 12:48 -----.-

@島根県桜江町「水の国/ミュージアム104°」

 
江津市から江の川を溯り、三次市内を目指す。その途中、「水の国...」と銘打った怪しげな建物に引かれて立ち寄った。入館料800円也。どうやら美術館らしい。よくわからないオブジェたち。

水の奏でる音や、光の反射を愛でようという試みのようで、カッコつけていうならば、

水と音
光と影
というところだろう。
それにしてもよくわからない。時間潰しにはいいかもね。
水の国 全景

1999/08/12 13:23 12910.9

@島根県川本町大字川下

 
国道沿いの案内標識。結構凝った造りしてます 川沿いに「...レストラン」という看板が見えたので昼飯でも食うべと立ち寄ったが、自動販売機コーナーだった。なんとなく悔しかった。癪なので300円のラーメンを食するが、旨くない。小学校の頃、給食で出てきたラーメンを思い出した。久しぶりに旨くないラーメンを食べたような気がする。

それにしても暑い。雲一つない快晴。気温はいったい何度あるのだろうか。日陰にいても汗が噴き出してくる。日向に出ると吹き出した汗があっというまに乾いて白い塩が残る。

出発前に、駐車場にあった案内板の前で写真撮影。しかし案内板自体はよく見もしなかった。


1999/08/12 18:30 12986.8

@広島市

川本から三次に出ようとしたが、国道の標識には「三次」の文字が見えない。そうこうするうちに、名所「断魚渓」入口の案内標識が見えた。ありゃ?断魚渓?
何のことはない、よく知っているはずの道を間違えた。いや、道を忘れていた。昔、自転車で何度か通ったとはいえ、特に思い出もなく、しかも10年ぶりになる道を覚えているはずはなかった。今更引き返すよりはこのまま進んだほうが近いと思い、そのまま進むことにした。でもその前に断魚渓で一休み。
名勝 断魚渓
断魚渓を過ぎると山越えルートになる。山越えというものの、直線に近い道がだらだらと高度を上げていくだけの単調な道のり。ついに広島県に入った。
大朝町、もうすこし南に下ると自分が小学1年生まで過ごした小さな町がある。でもなんとなく見たくなくて、そのまま加計方面に大回りする国道に進んだ。

ところがこれが大失敗で、まず「加計方面通行止め」の表示が立ちふさがり、やむなくうろ覚えの道を適当に進んでいくと、片側交互通行のオンパレードになった。少し走ると工事区間と信号機が立ちふさがる。そういえば、7月中には大変なことになっていたんだっけ。今更のように思い出すも仕方がない。

極めつけは広島市に足を踏み入れたところで数キロにもおよぶ区間が片側交互通行になっていたこと。何分待っても対向車が来ない。やっと来たと思ったら何分待っても対向車が途切れない。エンジンを止めて待つことしばし、やっと通れたとおもったら、片側通行がどこまでも続く。やっと現れた対向車線の信号待ちも、どこまでも続いている。 夕方になって、ようやく実家にたどり着いた。広島は暑い。風がない。いわゆる「凪」という奴。
ここまでの走行距離、782.1マイル=1251.4キロ


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