ラーメン(川崎・横浜周辺)
丸一
知る人ぞ知る、といった感じの店。
大通りからは離れているし、一番近いバス停からも数百メートルある。日曜日の昼でなければまず混んでいることはないが、なんでこの店が空いてるかねぇ?と思える味である。
いわゆる「とんこつ」であるが、オプションで醤油味も可。でもはっきりいって、たいしたことない。
そのとんこつラーメンは、味が半端じゃなく濃い。とにかく濃い。
それもしつこいのではなく、本当に中身が濃い、と思える濃さで、たとえば二日酔いの昼に、何の抵抗もなく胃袋に収まってしまう。
自分のお気に入りは、千円もする「バラ肉ラーメン」。いわゆる豚の角煮だが、よくあるサイコロ大の物ではなく、太く長い切り身が3つも乗っている!それもとろける様に柔らかい。味付けも絶妙で、たとえば二日酔いの昼に、「しまったなぁ、醤油味にしときゃぁよかった...」とか思いながらも、結局スープまで全部飲み干してしまう。
麺は自分好みの太麺・縮れ麺。トッピングも豊富で、組み合わせも結構融通が利く。自分はよく「ねぎチャーシュー」を頼んだりする(実はこれがメニューにはない)。
ママさんが近くで飲み屋をやっているらしく、時間帯によってはそちらの客がクダを巻いたりしている。
特記すべきは営業時間で、平日なら午前11時から、何と翌4時まで!
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川崎家

某地元誌(名前を忘れた)に、人気店の一つに挙げられていたのを見て寄ってみた。
店のドアを開けると、とんこつ独特の、あの香りが店内に充満している。とんこつ嫌いの向きには耐えられないだろう(とんこつ好きの向きにはこたえられない)。カウンター越しに、寸胴いっぱいに詰め込まれた豚ガラの山が見える。
店内は狭く、カウンターしかない。十数人しか座れないので、いつやってきても、たいてい数分の待ちが入る。床はワックスのかけ過ぎで、注意しないと滑って転びそうだ。
味のほうは、さすがに待ちが入るだけある。スープの濃厚さは凄まじいものがある。ただ、デフォルトでの味付けが、「濃い口、油多め」になっており、自分はいつも「油少」で頼んでいる。
麺は太麺、縮れ面。腰は相当に強い。やはり、とんこつ醤油味には縮れ面がよく合うと思う。
旨いことは旨いが、まぁ、並んでまで食べようとは思わないので、空いている時を見つけては寄っている。
営業時間はよく知らないが、仕事帰りに寄ろうと思ったら空いてない。割と早く店じまいしてしまうようだ。この辺も、自分の生活パターンに合わない。残念だ。
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ラーメン道楽

第一京浜を横浜方面に向かい、3車線から2車線に変わるあたりにある。営業時間は深夜まで、いや明け方5時(!)まで。
某工場で仕事をしていて、最終バスに乗り遅れてしまうことがある。こんなときは歩いて4キロの道のりを帰るしかないのだが、その途中にあるのがこの店。ただ、夜中はタクシーの運転手さんなどで結構混んでいて、カウンターだけの店内が埋まっている時は、待つのが面倒で、素通りしてしまうこともある。
スープは純粋な「とんこつ」で、このあたりで「スープが白い」店を、自分は他に知らない。麺も極細ストレートで、店の看板には見えないが、博多ラーメンって、こんな感じ?と思わせる店である。でも紅生姜はなかった。おろし大蒜と芥子味噌(トウバンジャン?)で食べさせるようだ。
味付けは「塩味きつめ、油たっぷり」。一応加減はできるので、こちらも頼む時は「薄味、油抜き」にしている。麺はやたら固いが、スープが熱いので、冷ましているうちに、丁度よくなる。「柔らか目」もできるが、頼まないほうがいいと思う。
トッピングは結構種類があったように思う。いわゆる「変わり種」はないが、ネギラーメンが旨かった。白ネギの千切りが山のように盛られてくる。塩味のきついスープとよく合っている。
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大黒家

首都高速生麦ICの近くに割と最近オープンした店。自分の密かなお気に入りの店だったが、いつのまにかグルメ雑誌に紹介され、繁盛店になってしまった。日曜の午後なんかだと、たいてい待ちが入る。午前中、開店直後がお勧め。
川崎家」で紹介したような、いわゆる豚骨醤油味ラーメンである。この辺りのラーメン屋の特徴として、「xx家」というネーミングの店が多い。少し前、テレビで「家(いえ)系ラーメン」として紹介されていた。
ここのお勧めは「ネギラーメン」でしょう。一押しの理由は、ネギラーメンのネギの乗せ方が2種類ある、ということ。普通どこででも出てきそうなラー油で和えたものと、白ネギの千切りそのままのもの。自分は辛いのが苦手なので、白い方=ラー油で和えてない白ネギ千切りそのままのほうをよくいただく。そのネギの量も半端じゃない。麺の量よりも多いんじゃないか?と錯覚するくらい山盛りでやってくる。
家系ラーメンの特徴として、「麺の固さ、油の多さ、味の濃さ」の3つがそれぞれ3段階に調節できることがある。大体どこの店でも、何にも注文なしでは食べられないことが多い(自分の知る限りでは1軒しかない)。ここも例に漏れず、デフォルトが「味濃い目、油多め、麺固め」である。で、自分が注文する時は「油少な目」である。味の濃さを調整しない理由は、ネギラーメンの白い方を注文するからだ。濃い味のスープが大量の白ネギとマッチする。これは絶対にお勧めであると思う。
実は「夜の部」があって、深夜、修行途中と思われる若いお兄ちゃん達が作ってくれるのだが、これはお勧めできない。どうしても真夜中にラーメンを食べたくなったら仕方ないけど、それなら僕は他の店を探すね。薄味好みの方にはお勧めかもしれない。
とにかく、家系ラーメンに代表される豚骨醤油ラーメンは、同じ店でも作る人、時間帯によって全然味が違うから、評価するには最低2〜3回は通ってみなきゃ駄目ね。
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近藤家(川崎店)

割と最近になってオープンした店。横浜にある本店は結構名の知れた店らしい。看板には「六角家姉妹店」というような文字が躍っている。六角家といえば、新横浜ラーメン博物館に地元代表として出展している、横浜在住の方ならたいていの方はご存知だろうあの店である。羽田にも支店があるそうだ。
「究極の味」というアイキャッチに引かれて入店すると、入口左側すぐに自動券売機がある。メニューはラーメン、チャーシューメンとその中・大盛り、あと何種類かあったかも。ここの券売機は一万円札が使えるのがありがたい。
ラーメンブームは終わったという人もいる御時世の中、ここは結構繁盛しているように見える。休日の昼飯時はまず待たされる。開店当初は朝10時から開いていたので、お出かけ前の軽い朝食代わりによく利用していたが、今は11時になっている。
まずは「ラーメン・並」を、とりあえずは麺・スープ・油とも普通で注文。威勢のいいお兄さん達が手際よく麺を揚げていく。待つことしばし、出てきたラーメンは、チャーシュー・ホウレンソウ・板ノリが乗ったオーソドックスな「家系ラーメン」。スープはすこし明るい、一見ミソラーメンにも見える豚骨醤油味。麺は太麺。
そして食べてびっくり。何も注文することがない!
「究極の味」は伊達じゃない。強いて言えば、 程度のもので、川崎市内の豚骨ラーメンとしては最高の部類に入るだろう。
何度きても変化が少ない完成された味にも好感が持てる。
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福屋(川崎店)

川崎家」のやや斜向かいにある。雨が降った日曜日なんかによく立ち寄る。
僕が川崎に越してきた当初は、「珍珍珍(サンチン)」というチェーン店だった。それはそれで旨かったのだが、いつのまにか「黄金」という店名に変わった。この「黄金」も、僕が一度も味見しないうちに今の店名に変わっていた。
豚骨スープとあっさりスープが選べる。このシステムは都内に多い「丸八」とか「珍珍珍」のチェーン店に似ている。まだ豚骨しか食べたことはない。というか、あっさりスープが「ついで」のように思えてしまってついつい躊躇している。
麺はちょっと細めの玉子麺。九州の博多ラーメンに比べると十分に太麺といえるだろうが、「家系ラーメン」に代表される横浜トンコツ醤油味系の中では、割と細いほうかもしれない。スープはトンコツ風味よりも醤油味がちょっと勝っている感じ。
別にとりたてて旨いとも思わなかったが、雨が降ってバイクに乗れない休日にはたいていここに通っている。川崎家がすぐそこなのに。川崎家の方が旨いと思っているのに。なぜでしょう?
答え:こっちの方がバス停に近いからです。
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宝龍(川崎店)

川崎駅から一番近くてそれなりに旨いラーメン屋を紹介して!といわれると、僕は躊躇なしでここをお勧めします。札幌ラーメンだが、塩・醤油・味噌の基本を押さえていて、またトッピングに豪華なオプションが用意されている。ラーメン特集の雑誌をご覧になった方ならご存知かもしれないが、札幌にある本店は有名店らしい。
ここの開店は、僕が川崎に越してきた後だから、3〜4年くらい前のこと。だから割と新しい店。
繁華街からちょっと外れたバス通りに面している。立地条件はさほど宜しくなかろうと思う。開店当初はバスの窓からいつ見てもお客が入ってない。やっぱり川崎で味噌ラーメンってのは無理があるんだろうなぁ、潰れる前に味見でもしとこう(失礼な!)と思って入ってびっくり。こりゃ旨いわ。ミソラーメンの旨い店がこの辺に少なくて、あれこれ探していたのだが、ここに決定(断言!)。
その味噌スープは、近頃はやりの「辛けりゃいいだろ、文句あっか!?」的なものではなく、唐辛子が入ってはいるが辛さは控えめ。もやしに混じって少しだけ入っているタマネギのスライスが、辛さを和らげているのかも。どうしても辛さを求める向きは、頼めば多分辛くしてもらえます。やったことないけど。
麺は黄色味が強く、ちょっと透明感のある札幌ラーメンの特徴的なもの。細く、ちょっと固め。歯ごたえがあって僕は好きです。あと、ギョーザもお勧めできます。ちょっと焼く時の油が多めかな?
今は平日の昼休みにはいつも混んでいる繁盛店になっている。仕事場から数百メートル歩いて来て満員!ということもしばしば。
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宝龍(横浜店)

ここも上に紹介した川崎店と同じく、北海道は札幌の総本店から暖簾分けされた店のようです。
味の方は、だいたい川崎店と同じだが、こちらのほうは繁華街に近いだけに味付けがきついような気がする(根拠なし)。従業員(アルバイト?)の女性の言葉づかいにちょっと外国なまりがある。中国の方かな?さすが国際都市横浜、と思ったひとこまです。
通りの向かいにトンコツラーメン屋があって、見た目はそっちの方が繁盛しているようだけど僕はこっちの方がいいと思う。あそこのは「豚骨」の割にちょっと味が薄いからなぁ。
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喜多方ラーメン坂内(川崎店)

ある日、Gパンを買って裾直しの時間待ち中に見つけた。ありゃ、坂内さん、ここにもありましたか。
味の方は、あちこちにあるチェーン店と寸分違わぬ塩ラーメン。麺もチェーン店共通の、うどんみたいな太くて平べったいモチモチした感じの麺。
ここのお勧めはチャーシューメンでしょう。
普通、チャーシューメンというのは麺の上にチャーシュー、ネギ、メンマなどが乗っけられていて、普通のラーメン+ちょっとチャーシュー増し、というのが相場です。ところがここのは違う。丼の表面を、数cm角のチャーシューが十数枚、これでもかとばかりに覆い被さっている。チャーシューを一枚めくってみると、その下からネギとメンマと麺が現れる。雑誌等でお目にかかったり、実際に食されて驚いた方も多いと思います。二日酔いの日なんかには絶対に全部食べきれない。
肉の苦手な方は絶対に食べないで下さい(もったいないから)。普通のラーメンだって、普通のラーメン屋に行けばチャーシューメンで通用するくらいの量の肉が乗っかっている。あんまり肉が多くて胸焼けしそうなので、チャーシューメンよりも、ネギチャーシューメンの方が食べやすいかもしれません。
店内には持ち帰り自由のパンフレットが置いてある。支店の一覧が載っていたりして、あなたの近くにも「坂内」「小法師」があるかも。一枚手元にあるが、まあしかしあちこちにありますな。
そういえば今年(1999年)になってからだと思いますが、すぐ近くにもう一軒オープンしてます。この不景気な世の中に業務拡張。喜多方ラーメン、恐るべし。
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ラーメン二郎(鶴見店)

国道1号線を川崎から横浜方面に向かう。鶴見川を渡り、ゆるやかな丘を越えたところに小さなラーメン屋がある。これが知る人ぞ知る、というか結構な有名店、ラーメン二郎鶴見店。
名前だけはずいぶん前から知っていた。蒲田駅前にも支店があり、そちらのほうはたまに寄っていたが、油の多さに閉口していた。こちらのほうは何かの雑誌に「油少な目」と書いてあったもので、密かに期待していたのだが、つい先日まで寄る機会がなかった。何しろ国道沿いで駐車場もなく、営業時間帯はいつ通りかかっても車の列があり、飯時は店の外で待っている姿が見える。
ある日曜日、意を決して自転車で行ってみた。夜の9時過ぎ。数キロの道のりを走り、たどり着いたら満席だった。バイクで来ていたなら引き返すか別の店を探すかしただろうが、さすがに動く気がしなかった。十分以上待ってようやく着席。それからしばらく待って出てきたラーメンは、蒲田店とあまり変わらない見栄え。しかし...!
ここのスープの濃厚さは、ちょっと常識外れです。それも旨いんだこれが。
細かい油身が浮いていることも加わって、見た目はすごく油っぽく感じるのだが、実際に口にしてみると、あまりにも濃厚なスープの前では少々の油っ気はどこかへすっ飛んでしまう。チャーシューもちょっと厚切りながら柔らかく、これまた旨い。茹でたキャベツがトッピングされていて、これまたよく合っている。注文すれば大蒜・唐辛子を追加してもらえたりするみたい。
そういえば、カウンターの上には調味料の類は一切置いてない。普通、豚骨系のラーメン屋といえば、たとえ「旨い」と評判の店でも業務用の大蒜とかトウバンジャンとかのポリ容器が無造作に置いてあって、ちょっと興ざめってのが当たり前なのだが、ここはなかなか思い切ったことをする。味に自信あり!ってことでしょうな。
繰り返しになるが、ここのスープの濃厚さは半端じゃない。これを食べて、自分の中の「濃厚さ」の概念が変わってしまった。是非一度、味わってみる事をお勧めします。
1999/10/22
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